産業用パソコン NEC FC98-NX FC-E21A 修理のご依頼

こんにちは、滋賀ビジネスPCの岡本です。
奈良県の食品製造業者の企業様より「FC-E21Aの2画面出力の内、片方が映らなくなった」というご相談を承りました。

ご郵送にてお預かりしたFC-E21A、起動後しばらくすると片側のモニターがブラックアウトしたり、砂嵐のようなノイズが表示されるという症状を抱えていました。
一見するとグラフィックドライバの不具合にも思えましたが、症状が再現性高く出るため、ハードウェア側の問題を疑って分解・診断を進めました。

診断の結果、グラフィックボードのヒートシンクを固定するプラスチックピンが劣化・破損しており、GPUとヒートシンクが密着していないことが判明しました。
そのため、GPUの発熱が制御できず、一定時間使用すると映像出力に異常をきたしていたようです。

取り外したグラフィックボード

取り外したグラフィックボード

同型のグラフィックボードを弊社在庫からご用意し、交換を実施しました。
さらに、冷却性能を強化するため補助ファンを増設し、温度上昇を抑えるカスタマイズも行っています。

冷却ファン増設により排熱を強化

冷却ファン増設により排熱を強化

また、症状診断中にPC内部から異音が聞こえていたため、電源ユニットも点検。
内部コンデンサの劣化によるノイズと思われ、予防保全の観点から電源ユニットも交換させていただきました。

電源ユニットより異音が発生

電源ユニットより異音が発生

すべての部品交換・調整作業を終えた後、72時間のエージングテストを実施し、映像出力やシステム安定性に問題がないことを確認。
これにて、無事に修理完了となりました!

今回のように、ヒートシンクの固定不良による放熱不足は、長年使用されたPCに時折見られるトラブルです。
見た目に異常がなくても、内部のパーツが劣化してトラブルの種になっていることがあります。

もし、画面が乱れる・異音がする・突然落ちるといった症状がある場合は、ぜひ早めにご相談ください。